3月に平田暁夫先生がお亡くなりになり、3ヶ月余になります。
先月、パレスホテルで行われた平田暁夫先生を笑顔で送る会で、先生にお別れをしてきました。
本当に穏やか表情をした先生のお写真と、白い帽子がたくさん重ねられた祭壇にはグリーンと白のお花が野花のようにディスプレイされていてとても素敵でした。
なつかしい学生時代の先生や、同学年の友人などにも会うことができ、ゲストの方の平田先生へのスピーチもとても温かく、こんな風にたくさんの方に尊敬され、慕われてきた先生の偉大さを改めて感じました。奥様が、本当に平田先生はよく働いたとおっしゃっていたのがとても印象的でした。
私も自分らしく先生のように一生涯帽子製作に関わっていかれると良いなあと改めて強く思いました。
また、先生の娘の欧子さんが、これからもAKIO HIRATAの帽子を引き継いでいかれるとのこと。いつまでも、素晴らしい平田先生の帽子の技術とデザインが継承されていくことを心より願っております。きっと、天国から平田先生も見守ってくださっていることでしょうね。
今回のお別れ会には、喪服はNGで楽しい格好で、帽子をかぶってくると平田先生が喜ばれるでしょうというご案内をいただいき、とはいうものの赤のワンピースを着ていく勇気はなく無難に黒のワンピースをドレスアップして帽子をかぶり参列しました。
たくさんの方が帽子をかぶっていらしていて、著名なゲスト方々も多く、会場はとても華やかでした。こうやって、帽子を楽しむ機会があちこちに広がると素敵だなあと。先生もきっとそう思われているのではないかと思います。
帽子教室の卒業生もたくさんいらしていて、みなさんそれぞれ力作を披露されていました。こんなにもたくさん、素敵な帽子を製作できる人がいるのだから、このパワーを何かにつなげらないかしらと思ってしまいました。将来帽子を通じて何かご一緒にできればよいですねと、少し同業者のデザイナーさんとお話ししたりもしました。
私は、アトリエで実際に働いて平田先生に師事した訳ではありませんが、学校に2年間通っている間に身につけた自由な帽子作りの精神が、今も自分のベースになっていると思います。
本当にあの時期に、平田暁夫帽子学校に通えたことは幸運なことだたと思います。
平田先生のご冥福を心よりお祈りいたします。
お別れ会の間に、嬉しい帽子の依頼メールが入り、なんだか先生がご褒美をくれたような気分になりました。
星野道夫さんの「旅をする木」という本の中で見つけたことば
「It made my day」
そのわずかなことで一日が満たされてしまうということ
その言葉がとても心に響きました。
シンプルでとても素敵な表現
そんなことを考えながら今回は帽子を作りました。