SEPT BLEUS

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SEPT BLEUS

BLOG

2011.03

08

2011.03.08

帽子デザイナーの仕事の話

先日、公立中学校の先生をしている高校時代の同級生からの依頼で、中学1年生の前で、帽子デザイナーの仕事について、話をする機会がありました。

体育館で180人余りの生徒を前に、話をするということで、私のほかに、保育士さん、車掌さん、旅行代理店の営業さんという、ラインアップだったのですが、普段、あまり、接点がない他の方のお話を聞くのも面白く、また、人の話や、プレゼーションの仕方を見て、なるほどこういう風にするといいのだなあということも分かり、なかなか勉強になりました。

2011,3,8 BROG


中学一年生ぐらいの子供が、最近身近に全くといっていいほどいないので、どんな感じで話をすれば、興味を持ってくれるのかなあと思いつつ臨んだのですが、思ったよりも、真剣に耳を傾けてくれて驚きました。

帽子デザイナーというと、大人の集まりでも、帽子デザイナーさんに会ったのは、初めてとか、仕事の内容がピンとこない人が多いのが普通なので、はたして、こないだ話をした生徒の中に、帽子デザイナーになりたいと思っている人が、いる確率は、限りなく少ないだろうと思いつつも、自分の経験が何かのヒントになってくれればいいのかなあと。

10分という時間の中で、どんな話をしたらいいのかと漠然と考えて、まずは思いつくままに原稿を書いて読みあげてみたところ、帽子デザイナーになる前の話ですでに10分。
10分間で話せる文字数をなんとなく換算して、原稿を書きなおし、何度か練習をして、いざ、当日、話し始めてみると、やっぱりものすごく緊張してしまって声がうわずること、うわずること。

途中、実際に帽子を何点か持って行き、帽子を、女性の先生にモデルをお願いして、かぶってもらいながら、形がいろいろ変わる話や、帽子の名前や、デザインを考えるときの話などをしているうちに、少し、緊張が解けてきたもののあまり上手には、話せなかったかなあと反省。
こういうのもなれなのかもしれませんが、なかなか面白い経験をさせていただいました。

先日、思いがけず、その中学校の生徒たちが話を聞いた後に、私あてに書いてくれた手紙が送られてきました。私が思っていたよりも、帽子デザイナーという職業について、興味を持ってくれたことが分かり、また、話の中で、それぞれの生徒が印象的だったことなどが、手紙に書いてありとても感動してしまいました。

何かを伝えることから、それ以上のものをもらってしまった嬉しい気持ち。何か、息詰まった時に、手紙を読み返して元気をもらえそうな、素敵なことばのつまった手紙をたくさんいただきました。書いてくれたみんなどうもありがとう!!

以前、別の高校の先生をしている友人から、本を出版した時に、家庭科の授業の中で、話をしてほしいと頼まれたことがあり、その時は、私立の女子高で、人数も20人前後。

最初、ワークショップ的に帽子を作ってもらうのがいいと思ったのですが、時間的に多分難しいだろうということで、

まず、みんなに帽子でイメージするイラストを書いてもらい、どうしてその帽子を書いたのかみんなの前で発表してもらう→その後に、アイディア・ハット・レシピの中の、帽子の型紙をタペストリーのようにしたものを何枚か見せて、どんな帽子になるのか想像してもらったり、本を見てもらいながら、実際の帽子をいろいろ見せて、今までどういうことを考えて帽子作りをしてきたかなど、話を聞いてもらう→最後に、自分のオリジナルの帽子のデザイン画を書いてもらい、みんなの前で発表してもらう

というような授業をしました。この時驚いたのは、最初のデザインが、どこかで誰かがかぶっていたとか、面白くない帽子のイラストだったのが、少しの時間の間に話をしただけで、最後にみんなが書いたイラストがぐっとオリジナリティーあふれる帽子のデザイン画になったということ。そうなるといいなあと思ってやってみたことなのですが、やはり、若いというのは柔軟でいいものだなあと思いました。

最初、ふくれっ面で、デザイン画を書いてくれなかった子も、最後にはとりあえず絵を書いて参加してくれたのも嬉しかったのを覚えています。今思えば、それぞれのイラストを写真にきちんと納めておけばよかったなあと思います。

こうやって、思いがけず、誰かが何かのタイミングで、私のことを思い出して、何かを依頼してくれるのはとても嬉しいこと。上手く期待に答えられるかは別として、その度に、自分に出来るかなあと思うし、準備をするのにも、意外と時間と頭を働かせなければいけないこともありますが、やってみると、思っていた以上に、得るものが必ずあるなあと思います。また、そこから何か新しい気づきがあって、何かが生まれてくるのかもしれません。

余談ですが、今回、中学校の講演でご一緒させていただいた、車掌さんの人の話の中で、知っておくと得をする小話を一つ。すべての電車がそうであるかは、分かりませんが、その車掌さんが働く会社の電車は、たとえば、10時35分発という時に、10時35分30秒に発車しなければならないというルールがあるとのこと。

そう言われると、あれ?まだ、発車の時間のはずなのに、電車行っちゃったなあと思ったことが今までにも、何度かあったなあと。知っておくと、電車に乗り遅れることが少し減るかもしれませんね。


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