2013.08
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SEPT BLEUS 2013AW コレクションテーマ「静かな力強さ」shi zu ka na chi ka ra zu yo sa
ベネチアからカラフルな家が立ち並ぶ島、ムラーノ島に行きました。美しい景色の中である家の壁の割れ目から出ている植物がけなげでとても力強く印象的でした。
今シーズンもモチーフのローズマリーの花言葉の中にも「静かな力強さ」という意味があるそうです。わが家にも、ローズマリーが静かに力強く育っています。
SEPT BLEUSの帽子たちもそんなスタンスであれたらよいなあと思います。
この秋冬は、新作のラメウールブレード、カラフルなツイードを使いました。いつもより少し明るくきらめき感のある帽子たちも楽しんでいただければ嬉しいです。
昨年の秋、ベネチアに行きました。イタリアは今まで、ツール・ド・モンブランの山歩きの時に、山越えして、山小屋に泊まったこと。フランスのマントンという町に行った時に、ジャンコクトー美術館に行くつもりが、行きすぎてイタリアの国境まで来てしまい、たまたま停まっていたバスに乗って隣町まで、小さな旅をしたことはあったものの、正式訪問?は今回が初めてでした。
パリからベネチアの空港へ着き、空港から水上バスに乗ってベネチアの街へ。一度は訪れてみたかった水に浮かぶその街は、とても美しく水上からの眺めはとても素敵でした。夕暮れ時は特に街の明かりと夕日に染まる空が彩りを加えてより旅人気分に。美術館や博物館を訪れ、小さな路地や橋を通り抜けて歩く散策も楽しみ、あっという間の4日間でした。
その中で、ベネチアから1時間ほど水上バスに乗って訪れたムラーノ島は、もともと遠くからも自分の家が分かるように、外壁がカラフルにペイントされるようになったとのことですが、色鮮やかで絵本の中の街のようでした。そのメルヘンなお家の印象とは違う老夫婦が家から出てきたりして生活感が溢れているのがよい雰囲気。
島にあるレース博物館はがらんとして、観光客もまばらでしたが、貴重なレースや、型紙、映像も充実していてゆっくりと展示を楽しむことができました。実演コーナーはまさにマダムたちの集会場のようで活気に溢れていました。イタリア語が分からない私たちにも、親切に一生懸命説明してくれました。
博物館を出て広場にある教会をのぞいてみると、ちょうどミサの最中で、大勢の熱心な信者の方の神聖な空気を感じたので、入るのは遠慮しました。今までそんなにたくさんの街をめぐったわけではありませんが、都会から少し離れた小さな町の教会を訪れた時に、同じような経験を何度かしたことを思い出しました。
ベネチアは本当に教会の数が多く、有名なサンマルコ寺院の七宝や、黄金、無数にはめ込まれた宝石作られた祭壇画「パラ・ドーロ」は自然光に照らされて美しく輝いていて、印象に残りました。
さて、前置きが長くなりましたが、今回のイタリア旅行は、ベネチア、ブセット、ミラノを訪ねたのですが、帰ってきてたくさんの美しいものを見たというのに、印象的だったイメージがムラーノ島の、家の壁の割れているところから出ている植物の力強さだったのでした。
結局のところ、どこに行っても、小さなところに目がいってしまうようです。
そのイメージから、静かな力強さという言葉で出てきたので、その言葉から、静かな力強さが花言葉にもあるローズマリーを今シーズンのモチーフに。今回も私のイラストから、イメージ以上に素敵なコサージュを村上伊万里さんが製作して下さいました。
今回は、春夏にも使用したラメの太糸をウール糸と合わせて少し華やかなブレードを作りました。いぶしゴールドや、いぶしシルバーに合わせると、とても派手になってしまいそうですが、ちらりと使うようにしたので、かぶってみると冬の装いにさりげなくアクセントになってくれることと思います。UNIQUE LINEではふんだんに使用したきらめき帽子も作りましたので、こちらもぜひ!
カラフルなマルチツイード素材の帽子も、見た印象よりもかぶってみると、しっくりとなじむと思いますのでぜひ挑戦していただければと思います。
毎シーズン、定番の形が中心ではありますが、少し楽しい新しい形も提案し、新鮮な空気を感じて日々の装いを楽しんでいただければ嬉しいです。